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「みんなのロールモデルに聞いてみた」(次世代本部 細渕さん)

「みんなのロールモデルに聞いてみた」は、チーム弥生のメンバーから寄せられた「ロールモデルのあの人に話を聞きたい!」という要望をもとに、ご本人に仕事の極意やポリシー、テクニック等をインタビューします。

第4回は、管理本部メンバーからのリクエストで、次世代本部の細渕敬太さんにインタビューしました。

💡管理本部のメンバーの「ここが聞きたい!」

細渕さんは、2016年に新卒で入社し、様々な部署や業務を経験されてきました。
新卒で入社し、1社で多くの経験をしてきた細渕さんだからこそ持ち得る、弥生や仕事に対する考え方を教えてほしいです!


次世代本部 次世代企画・開発部 次世代給与チーム プロダクトオーナー 細渕さん
2016年4月に新卒で弥生に入社し、マーケティング本部営業推進部 リテール営業課 パートナー支援課(東京支店)を経て、2021年10月から事業企画部 次世代プロダクト企画課へ。2023年7月に事業企画部が次世代本部と合流後、2024年1月から現職を担当。

新卒で入社以来、さまざまな部署、業務を経験

ー本日はよろしくお願いします。まず、細渕さんは現在、どのような業務を担当されているのですか?

細渕:所属している部署は、次世代本部 次世代企画・開発部 次世代給与チームで、給与計算や年末調整などの業務が行えるクラウドアプリケーションを開発しているチームでプロダクトオーナーを担当しています。現在は新ブランド「弥生 Next」の第一弾としてリリースした「弥生給与 Next」の責任者という立場で業務を行っています。

ー2016年に新卒で弥生に入社されたとのことですが、これまでどのような業務を経験されてきたのですか?

細渕:私は部署異動が多いほうだと思います。入社してすぐは、マーケティング本部 営業推進部のリテール営業課(名称は当時のもの)に配属されました。そこでは家電量販店向けの営業を2年ほど行っていたのですが、お客さまの業務のことを知るために、大阪のカスタマーセンターで給与計算ソフトに関するお客さまからの問い合わせ対応に延べ半年ほど従事していた時期もありました。

実はそれが今のキャリアにつながっていますので、自分にとっては貴重な経験でした。

というのも、配属された部署では給与計算業務を体系立てて知識を習得できる場が限られていました。給与計算の領域は法令内容も理解している必要があり、カスタマーセンターで集中的に業務を学べたことは、私のキャリアの中で大きなアドバンテージになっていました。そのため、営業で給与計算業務に詳しい人が私だけしかいなかったときなどは、頼られることもありました。

その後、主に税理士・会計事務所向けの営業を行うパートナー支援課に異動となり、それから3年半ほど、弥生PAPに加入している会計事務所のお困り事を解決する提案型営業を行っていました。

そこからは業務内容がガラッと変わり、営業から離れて事業企画部の次世代プロダクト企画課に配属され、プロダクト企画の担当になりました。この時社内では、新しい給与アプリケーションの計画が進行中で、製品を企画する部署に移るお話をいただき、私もそれに興味があったので、異動を決めました。

その後、事業企画部が次世代本部に合流して、今年1月からプロダクトオーナーという立場になりました。

相手の意図を理解すること、自分の意図を相手に伝えることが重要

ー今はプロダクトオーナーとしてどのような業務をされているのですか?

細渕:弥生のプロダクトオーナーは大きく分けて2つの役割があります。1つは、製品開発全体の方向性を決める役割のことです。製品企画を行っていくうえで、環境分析から始まり最終的に製品、機能をリリースして、その後の利用状況も含めて一気通貫でその製品に携わる役割を担います。また、ステークホルダーとの調整や、開発する機能の優先順位を常に管理する役回りも担っています。

もう1つは、チームをまとめる役割です。「弥生給与 Next」の開発は、1チーム10名弱の複数チームで構成されていて各チームにプロダクトオーナーが1名ずつ存在します。

開発に携わるエンジニアと進行状況を毎日確認して、2週間ごとに開発状況の振り返りを行いながら、お客さまにいかに早く価値を届けるための活動をしています。そして、都度出来上がったものを確認して、リリースの最終判断を下すのも仕事です。

私は2つの役割を担い、製品全体の進行を把握しながら、チームのメンバーとのやり取りや、開発している機能の確認などを日々行っています。

ープロダクトオーナーとしてお仕事をされる際に、気をつけていること、大事にされていることはどんなことでしょう?

細渕:大事にしていることは2点あります。相手の意図を理解することと、自分の意図を相手に伝えることです。

プロダクトオーナーの最大の仕事は判断をして、それに責任を持つことです。判断するためには、相手が提案してきた意図をしっかり理解していないといけません。そのため、「細渕さん、これでいいと思うんですけど、どうでしょう」と言われた時、なぜそう思うのかを聞くように心掛けています。

それでも全てを完璧に判断することは難しいですが、少なくとも判断材料となる背景や目的、意図を把握した上で「私はこの時、これが最善の結論だと思ってこうした」という形で判断しないと、後々結果が思わしくなかった場合に振り返りもできません。私の中で後悔する部分も出てくると思うので、それを防ぐためにも、相手の意図を確認することは必要だと思っています。

出てきた課題は悪ではなく、次につながる一つの糧(かて)

ーでは、責任者としてメンバーをまとめあげていく時に気をつけているのはどのようなことですか?

細渕:例えばAとBの選択肢の中からAを採択した時に、Bを望んでいた人が疑問や不満を抱くことは、よくあることだと思っています。そのため選択した際に、なぜAを選んだのかを必ず説明しています。納得できない人がいたまま先に進んでしまうと、その後の人間関係や開発の面で障害が出てきてしまう可能性もありますから。

そして説明する際には、メールのような文字だけだとうまく意図が伝わらない場合もありますので、Zoomで話したり、直接会った際に話したりするようにしています。最終的に納得してもらうまでにはいかなかったとしても、少なくとも決定の背景を理解してもらうことが必要だと思っています。

ー製品を開発していて困難にぶつかったり、予想したようには進んでいかなかったりすることもあるかと思いますが、その場合はどのように対応していますか?

細渕:チーム組織で動いている以上、思い通りにいかないことが大半ですね(笑) 例えば、追加の要求が急に出てきて再調整が必要になったり、メンバーの出入りが発生したり、チームとして設定していたルールがいつの間にか守られていなかったりなど、日々色々な課題が発生します。ただ、うまく進んでいないところ、課題になっているところを悪だと思わず、それは次につながる1つの糧だと思って、きちんとそこを掘り下げて解決していくことを大事にしています。そしてそれら課題を1つずつ解決していくことで、チームの成長や製品・サービスの強化、改善に繋がっていくと考えています。

課題といっても、人によって捉え方はそれぞれなので、会話で定性的に捉えるのではなく、ドキュメント化することを意識しています。例えば「うまくいっていない課題があります、これが解決されないと問題が起こるのはなぜか?」とか、「これが起きた背景は何か?」といったことを、同じフォーマットで書くことで、チームみんなが同じ視点で、課題を理解することを心掛けています。

そこで話し合うことによって、「この問題はこういう理由で起こっているから、対応策はこうだね」ということがメンバーの間で認識合わせができて、課題を解決していく方向に進んでいける。そして、その課題のミーティングに参加していない第三者も、それを見るだけで状況を理解できるようになります。 とはいっても、様々な事情で予定通りに課題が解消しないこともあるので、一朝一夕に考えず、できることから着実に粘り強く進めるように意識しています。

ーでは、細渕さんにとって、仕事に対するモチベーションはどういうところにありますか?

細渕:我々が作ったサービスをお客さまが使って、その価値を感じていただいた瞬間を見聞きするのが、私のやりがいになっています。

入社間もないころ、研修で、カスタマーセンターで受電業務を行っていました。その時、自分が電話対応したお客さまから「細渕さんの対応がすごく分かりやすく、実はサービス継続を悩んでたけど、これを機に続けたいと思いました」というメールをいただいたことがありました。それがやりがいになりましたし、サービスの対価以上に、自身の対応で人の心を動かせたことへの価値を感じることができました。

また、リテール営業では、家電量販店に来店されたお客さまが製品説明で不安を解消し、笑顔になる瞬間にやりがいを感じました。「弥生会計を使えば何とかなる」という希望を持っていただけることが、営業の醍醐味で、私のモチベーションでした。

その後のパートナー営業では、会計事務所で、数十人の職員の方々向けに勉強会を開催しました。使い方の説明をして、分からない部分はフォローするということを何十、何百件も行っていきました。その結果、次第に業務が改善されていくようになり、「細渕さん、これを入れたことで、もう今すごくいい感じですよ。残業も減りました」とか「空いた時間で本来やりたかった業務に時間を割けられるようになりました」という話を聞いたときは、営業としてすごくやりがいがありました。

最後に、今のプロダクトオーナーの立場では、「弥生給与 Next」のお客さまが私たちのこだわった機能やポイントを利用して、業務遂行できていることを知った時が一番嬉しいですね。

勿論、事前の調査やユーザーインタビューなども実施しているため、意図通りに利用されるのは想定内でありますが、たまに、お客さまがこちらの想定以上の使い方をされていたりすれば、「なるほど、こんなニーズがあるんだ。チームに持ち帰ってエンジニアに説明して、この部分を解消してもらおう」といった気づきがあったりもします。

このように、私はいろいろな部署に異動しており、その時々によってモチベーションが異なる部分もありますが、お客さまが喜んでくれたり感動してくれたりした時というのは共通していますね。

弥生での仕事を全うして、自分のキャリアや知見を上げていきたい

ー細渕さんは新卒で弥生に入社してから、ずっと弥生で働いていらっしゃいますが、転職を考えたことなどはありませんか?

細渕:正直なところ、真剣に転職を考えたことがないんです。理由は2つあります。1つは、毎日新鮮な気持ちで働けているからです。これまでお話ししたように、私は部署異動が多かったので、同じ会社の中で3、4回転職したような感覚なんです。そのため転職などしなくても、部署が変わることで新しい経験をその都度することができて、弥生での人脈や知識を生かしつつ、新鮮な気持ちを保ち続けることができているのだと思います。

2つ目は、純粋に弥生での業務にやりがいを感じているからです。部署異動を何回も経て、職種や業務内容は変わっていますが、ただ1つだけブレていない軸があります。それは、給与計算や労務関連の仕事を共通してやっていることです。

給与という軸の中で、これまでの部署異動を通じてお客さまのことも会計事務所のことも知ることができ、製品企画のこともある程度は理解できています。開発をやっていくうえで、1つのプロダクトの上流から下流までを経験できているというのは、他では絶対に味わえないやりがいだなと思っています。

そのため、転職して他の会社に行きたいと考えたことがなかったんです。それよりも、今は弥生で任されている仕事を全うして、自分のキャリアや知見をどんどん上げていきたいと思っています。

ー弥生に新卒で入社したからこそ得られたことや良かったことはありますか?

細渕:新卒で入って良かった点は2つあります。1つ目の良い点は、部署異動で若いうちからさまざまな経験させてもらったことです。また、普段やっている業務とは別に、突発的な横断プロジェクトにも入社4、5年目の時に携わらせていただいて、他の部署の方と短期的にみっちりと仕事をしたことによって、社内の人脈が広がったり、他の部署の方々の思いやそれぞれの利害関係も見えたりしたのはよかったです。そこは、新卒入社の社員だったから、横断的に経験を踏ませるために抜擢していただけたのだと思います。

もう1つの良い点は、新卒ラインの関係性が強いことです。私の世代は新卒で採用されたのが5人で、全員の名前を覚えらますし、誰が何の仕事をしているのかも分かります。みんな上手く分散していろいろなチームに所属しているので、何かあった時の相談がしやすい部分は、新卒で入って良かった点ですね。

気を付けないといけないことは、長期間同じ会社にいることで、自分の視点がその会社特有のものになりがちなことです。中途採用の方から「他の会社ではこういうやり方が一般的だよ」と教えてもらうこともあります。新卒でずっと在籍していていることで視野が狭くなってしまうこともあるので、外の世界の話を聞きにいってみたり、中途の人から話を聞いてみたりして視野を広げることは常に心掛けるようにしています。

ー最後に、仕事から離れてプライベートについてお伺いします。休日はどのように過ごしていますか?

細渕:私はプロ野球観戦が好きで、阪神タイガースを応援しているので、帰宅後や週末はよくテレビで阪神戦を見て一喜一憂しています。関東生まれで関西にゆかりはないのですが、ゲームの『パワフルプロ野球』で阪神タイガースの能力が一番高かったことをきっかけに(2006年版を購入したので、前年セリーグ優勝した阪神が一番強かったというカラクリ)、阪神ファンになり、甲子園まで試合を観に行くようにまでなりました。

あとは、自転車や車、電車で行ったことのない場所に行くのが息抜きになっています。あとは釣りやボウリングも好きで、最近はボウリングをひたすら投げ続けるというのが趣味になっています。

ーありがとうございました。

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編集後記

お話を伺っていて、プロダクトとお客さまと仲間への強い思い、そして幅広い経験から得た知識やスキルが、今の細渕さんの大きな魅力であるいうことを再認識しました。
このインタビューを通して、新卒から入社し活躍するメンバーの情熱や知識について伝わっていたら幸いです!