見出し画像

北海道で築く人事のキャリア ―「ちょっとずつ背伸びする」姿勢と、後押ししてくれる人たちがカギ―

弥生には東京本社以外でも、たくさんの社員が活躍しています。
今回は、北海道に住みながら、コーポレート部門で全社の人事総務業務を担当している中山さんに話を聞きました。

中山さんのストーリーは、どこに住むかを問わず豊かなキャリアを築けることを示してくれます。柔軟な働き方を支援する制度、理解ある同僚に囲まれて、仕事と家庭、そして自己実現のバランスをとりながら、中山さんはどんなキャリアを築いてきたのでしょうか。


札幌でたどり着いた人事のキャリア

ーまず、中山さんの現在のお仕事について教えてください。

中山: 弥生には2018年に入社して、現在は人事本部の組織開発チームに所属しています。勤務地は札幌で、週2回オフィスに出社し、残りの3日はリモートワークです。主な業務は、研修のファシリテーター、社内のタレントマネジメントシステムの運用、労働安全衛生などです。また、エンゲージメント向上施策や、キャリアコンサルティング施策の企画なども担当しています。

ー札幌オフィスに特化した担当から、全社対応を行うチームへ異動されたそうですね。

中山: そうですね。入社した当初は、札幌オフィスに特化した採用業務や総務業務がメインでした。その後、2021年からは組織開発チームに配属され、現在は全社的な取り組みを行っています。上司に制度設計などの上流工程に関わりたいと伝えていたところ、その希望が叶った形です。

仕事と育児、そしてビジネススクールでのチャレンジ

ー今年から、MBAの取得に向けて学ばれているそうですね。仕事との両立はいかがですか?

中山: はい、平日の週3~4日は通学し、今期は8科目の授業を受けています。仕事のあと夜18時30分から21時40分まで授業があり、毎週5〜7本のレポート提出があります。正直、大変ではありますが、職場の理解と支援があってこそ両立できています。

チームのリーダーや同僚には時間の制約があることを伝えています。業務の優先順位を相談しながら、仕事の分担も配慮してもらえて助かっています。リモートワークとフレックスタイムが使えて時間と場所の融通が利く制度のおかげで、家庭との両立も図れています。子育てもしながら学べる環境が整っているのでとても感謝しています。もちろん、子供がまだ小学生なので、家族の理解と助力もあって実現できていると周囲の環境に感謝しています。

ー仕事と育児、そして学業を両立されているのですね。 どんなことがモチベーションになっていますか。

中山: 自分が知らなかったことや、表面的にしか見ていなかったものをより深く理解できるようになることです。例えば、財務諸表の見方を学び、数字から会社の状況や経営者の思考を読み取れるということを知れたのは非常に興味深かったです。また、マーケティングの理論と実例を結びつけて考えられるようになり、ビジネスの見方が変わりました。

両立は大変ですが、変化を感じられる体験があって面白いです。授業から得られる知識もそうですが、バックグラウンドが全く異なる一緒に学ぶ仲間と出会えたことも、頑張れる要因だと思います。年齢もバックグラウンドも、おそらく価値観も、全く異なる仲間と同じ方向を向いて学べるというのは中々ない体験で楽しんでいます。

ーもともとMBA取得に興味があったのですか?

中山:いえ…自分がMBAを目指すことになるとは思ってもいませんでした。以前の上司がMBAホルダーで、キャリア面談の際にMBAのことを聞いてみたんです。「今は女性経営者が注目されている」「これから価値が上がる」という話をされて、その気になったのがきっかけです。
また夫にもその話をしたら、ものすごくプッシュしてくれて、私以上に受験や学校のことを調べてくれました。そうしているうちに、仕事や家庭との両立の懸念が解決されていき、あっという間に入試から入学へと進んでいました。もしかしたら、他の人たちはもっと強い意志で入学しているのかも知れません。私の場合は、周りの後押しがあったからこそ踏み出せました。


所属している組織開発チームでは新しい働き方に向けた制度の提案も

キャリアの軌跡と価値観の変化

ー中山さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?

中山: 最初の就職先は、大学時代のインターンシップ先でした。お客さまのために一生懸命考え、話し合う社風に魅力を感じたことが入社の理由です。そこでは、イベント企画や営業、総務業務や人事も少し経験しました。その後、結婚と出産を経て、夫の転勤に合わせて私も大阪に転勤。3年ほど大阪で働いていましたが、将来家族で住む場所を話し合い、夫婦ともに転職をすることにはなりますが、夫の地元でもあり、私も大学生活を過ごした札幌への移住を決めました。

35歳で0歳と3歳の子育てをしながら、札幌で新しい職を探す中で、弥生に出会いました。転職活動中、地方勤務ではキャリアの選択肢も限られるのではないかという心配がありました。しかし、弥生では勤務地に関係なく、また子育て中ということも関係なく、様々な仕事を任せてもらえています。

ー仕事や生活の転換点で、考え方の変化はありましたか?

中山: そうですね…変わったなと感じるのは、以前は会社内でのプレゼンスを上げることや、上の職位に就くことに強い焦りを感じていた時期がありました。しかし、今は会社だけでなく、様々なコミュニティに所属し、会社以外にも自分の役割を持つことが大切だと気づくようになりました。
私の場合は、仕事、家庭、ビジネススクール、副業、大学時代や保育園等プライベートでの友人との場といったように、多様な場所に自分の居場所を作ることで、バランスの取れた充実した人生を送れていると感じています。会社への貢献は大前提で、もちろん大切ですが、同時に社会にも出て行きたいという思いが強くなっています。

大自然の中に出かけることも忘れない中山さん

時間が経っても変わらないもの

ー逆に、変化しないものはありますか?

中山: 思い起こせば、私は「ちょっとだけ背伸びする」ことを大切にして来たと思います。無理をせず、でも少しずつ成長していく、というイメージです。ひとりで大きな一歩は踏み出せませんが、周りの人に背中を押してもらうことで、チャレンジして来られたような気がします。これが、変わらない私の生き方なんじゃないかなと思います。
また、自分の思い込みにとらわれ過ぎない「柔軟性」も私らしさだと考えています。これまで何度も自分の思い込みが、選択の制約になっていると気づかされる経験をしてきました。

ー長い人生、予期しないこともありますから、受け入れることは大切ですよね。たとえば、どんなことがありましたか。

中山:大阪で勤務していた時の話です。育児休業から復帰するときに、母親は短時間勤務で復帰するものとばかり考えていたのですが、夫に「フルタイムで働いたら」と言われてハッとしました。その時は近くに手を借りられる親戚もいませんでしたが、やってみると、自分たちにはそれが当たり前になりました。
また、仕事をするために親の都合で幼い子供と離れて保育園に入れるのはどうなんだろうと思ったこともありましたが、家庭だけではなかなか子供が体験できないことを、保育園ならのびのび体験させてもらえるということにも気づきました。たとえば絵の具まみれになって部屋中を走り回ったり…とか。家じゃできない体験ですよね。いつも、周りの人々からもらう違う視点からのアドバイスで自分の枠組みや世界が広がっていくことを感じています。

ー自分の枠組みや世界がひろがるというのは面白いですね。

中山:そうですね。こんなエピソードもありました。私、新婚旅行にマチュピチュに行ったんです。生まれは古風な田舎出身で、長く続く家の長女なので「結婚したら家庭に入るもの」だとか「新婚旅行は欧米に行くものだ」とばかり思いこんでいました。でも、夫は「新婚旅行はペルーに行きたい」と言い出す人で…ちょっと私の発想にはなかったのでとても驚きました。でも「人生の中でこんなに長く休めることってないよ」、「マチュピチュは結構歩くから、若い時しか行けないよ」と言われて、確かにそうだなと思ったのを覚えています。移動距離も長く歩いてばかりで(笑)、いわゆる新婚旅行感はなかったですけど、思いも寄らない体験ができて楽しかったですよ。

私に新しい気づきを与えてくれたり、サポートしてくれたりする家族や職場にすごく恵まれていると感じます。
仕事も家庭も学びも、どれも諦めずに両立させたい。全部捨てずに、わがままに生きていますが、周囲の環境や人のおかげだと本当に感謝しています。

会社と社外の活動をバランスよく両立させていく

ーこれからの10年、どのようなキャリアを築いていきたいですか?

中山: 会社内では、やはり採用してよかったと思ってもらえるような価値を発揮し続けたいです。急速に変化する世の中や会社の状況に対応できるように、会社外の活動から得た知識や経験を活かして貢献していきたいと考えています。
そのために、社外でも活動の幅を広げていくことが大切だと思っています。2年前にキャリアコンサルタントの資格を取り少しずつ活動をしていますが、さらに発展させて、いずれは小規模でも自分の事業と呼べるものを作っていけたらいいですね。
私は、何か一つのことに集中するというよりは、様々な場所に足場を作る働き方が合っていると思います。会社と社外の活動をバランス良く両立させていくのが、私らしいキャリアの形だと考えています。

中山さんのチャレンジの数々に刺激を受けているチームメンバー

・  ・  ・  ・  ・

編集後記:


インタビューを通じて、地方都市でもやりがいのある仕事に挑戦しながら、家庭や学び、副業など多様な活動をバランス良く両立できるキャリアを築けることが分かりました。
中山さんにとっても思いも寄らないキャリアの可能性を開いたカギは、「ちょっとずつ背伸びする」姿勢と、それを後押ししてくれる人々の存在にあったようです。


この記事が参加している募集