ワクワクするテクノロジーの会社へ【取締役インタビュー】
2023年4月1日、弥生株式会社の経営体制は大きく変わりました。
15年に渡り、強力なリーダーシップで弥生を牽引してきた岡本浩一郎が社長を退任し、新社長として前山貴弘が、新たな役職である会長として平野拓也が就任します。
社長・会長の二頭体制という、今までの弥生にないスタイルで弥生は挑戦をします。船出をするにあたり、リーダーであるふたりに話を聞きました。
※役職名は記事公開当時(2023年4月)のものです。
―平野さんといえば、マイクロソフト社などグローバルな環境でご活躍されている印象が強く、2022年10月の社外取締役就任時にも社内外である種のサプライズとして受け止められていた印象です。なぜ弥生へのジョインを決めたのでしょうか?
平野:なぜチーム弥生にジョインしたのかという質問をよく受けます。私の考えの一つとして、中小企業のお客さまに対して価値を提供したいという意識はずっと持っていました。マイクロソフトはグローバルなビジネス展開をしており、いろんな大手企業ともお付き合いさせていただきましたけれど、実は中小企業のお客さまとのお付き合いも結構あるんです。
マイクロソフトを出てこれからについて考えた時に、日本の99%以上が中小企業であることに思い至りました。すると日本のバックボーンであり、日本を支えている中小企業の皆さまに対してしっかりサービスとバリューを提供したいなという気持ちが湧き上がり、それができる企業ってどこなのかなと考えた時に、ちょうど弥生とのご縁があり「あ、ここだ」と。
弥生は長年に渡りサービスを提供しているだけでなく、お客さまと非常に密に接点を持っている企業です。それから、ソフトウエアだけでなく業務の面でも会計事務所様を通したり、直接接点を持ったりしながら多様なサービスを提供している。
そういったところから、弥生は目先の会計業務だけでなく、日本の中小企業をエンパワーできるようなポテンシャルを持っていると非常に強く思いました。
そして、実際に会社の方々と話した時、皆さんすごくお客さまのことを大切にしていて、サービスのクオリティをしっかり高めようとしていることがわかりました。思いを持った非常にいいチームだという印象です。
こういったところから、ぜひこのチーム弥生に一緒に入って、日本の中小企業をもっとエンパワーできるようになりたいと考えました。弥生というのは今まで大きな仕事、またクオリティのある仕事をしてきましたし、今後も大きな可能性があると感じます。
今後日本の中小企業の役割、重要性はさらに高くなってくると思いますので、そこに自分の今までのグローバルな知見を合わせてサポートさせていただこうと弥生へのジョインを決めました。
―社外取締役としてジョインしてから5か月が経ちました(※取材当時)。今、弥生はどんな会社であるという印象ですか?
製品の品質を高いものにして、お客さまにちゃんと信頼していただく。これはまさに会計ソリューションに絶対必要な原則だと思うんですけれど、しっかりと達成されている。これまで本当に岡本さんがこだわってリードしてきた部分が強く現れていると感じました。
これから新しいチーム弥生として出発するにあたり、1on1やオフサイトミーティングの場で前山さんならびに役員メンバーと話しました。その時に、皆が非常に前向きなメッセージを持っていたことも印象的です。
皆さん、すごくクリエイティビティ豊かでいろんなアイディアを持っていて、会計ソリューションをひとつの軸として、日本の中小企業に本当に必要とされるサービスをもっと提供したい!中小企業の生み出す付加価値を高めていきたい!どうやったら、お客さまにさらに喜んでいただけるだろうか――。そういう想いをベースに、非常に活発な議論が行われました。それはまるで休火山が活火山になったような勢いと驚きのあるものでした(笑)
―取締役会長(非常勤)となり、これからどんな弥生にしていきたいですか
平野:弥生が今まで積み上げてきた「品質が高く信用いただける製品」というベースラインは確実にキープしますし、それをさらに進化させていきます。
それから、自分たちで製品の提供をするだけでなく、大切なパートナーである会計事務所の皆さま方とも二人三脚で日本の中小企業にしっかり貢献していくような、そんなアプローチをとっていきたいと思っています。
―前山さんは、弥生の新しい代表として平野さんそして弥生のメンバーと一緒に、どんな「新しい弥生」を作っていきたいですか
前山:そうですね。一言で言うともう本当に「挑戦」だと思っています。
やっぱり新しいものを生み出すという行為ってすごくストレスもかかります。正解のない世界の中で自分たちが正解を作っていかなきゃいけないし、その正解を自分たちの手でよりいいものにしていかなきゃいけない。
そうすると今までの活動を前提としたような、安全な場所から出ていかないといけないわけですよね。その時に必要となる「挑戦するというマインドセット」自体を持つ組織にしていきたいなと思っています。
「挑戦するマインドセット」というのは、なにか私のような立場の人間が「みんな、こういうマインドセットを持てよ!」と押し付けるのではなくて、一緒にワクワクする未来を考える、議論するっていうことから生まれるものなんだろうと思うんですね。それをする、できるような土壌にしたいです。
―これからの弥生が提供する価値について教えてください
前山:今までの弥生が社会に提供してきた価値というのは「弥生製品を使うと便利」「弥生製品を使うと効率がよくなる」といったことがメインだったと思います。私たちが提供してきたのはいわゆる管理部門で使われるようなアプリケーションなので、そういった意味ではそれらは非常に重要な価値だったし、お客さまも求めてこられたでしょう。
そして弥生がきちんとそこに答えられてきたからこそ、これだけ多くのお客さまにご利用いただけていて、いま我々の重要な財産となっています。
一方でこれからのアウトプットを考えると、そのバリューはもちろん達成しつつも、お客さまにとってワクワクするものを出していきたいなと思っています。
「弥生さん、次はどういうことやってくれるんだろう」
「弥生製品を使うと、なんか気持ちとしてワクワクするんだよね、面白いんだよね」
「気持ちとして楽しい」
「製品のコンセプトに共感するんだよね」
そういうことをお客さんに感じていただき、それ自体が弥生の生み出す価値につながるような製品・サービスを作っていきたいです。先ほどの挑戦するマインドセットを根底に、そういう製品を自然と生み出せるような組織にできるといいですね。
平野:少し大きな話でいうと、いま世界ではクラウドですとかAIですとか、いろんなデジタルな言葉が出ています。そういった最新鋭のソリューションやソフトウエアテクノロジーを中小企業の皆さまにとっても安心安全、ワクワクできるものとして提供していきたいと考えています。そこにおいては今まで自分がマイクロソフトで築いてきたノウハウやソリューションの考え方を活かして、前山さんをはじめとしたチーム弥生の仲間たちと一緒に考えていきます。
編集後記
弥生は最先端のテクノロジーを追求する会社であると同時に、スモールビジネスのお客さまに対する熱い想いというエモーショナルな部分を併せ持った会社です。それが前山さん、平野さんの就任によってより顕在化し、加速していく予感がしました。
社内向けのキックオフミーティングでは「変化をしなければ死だ」というセンセーショナルなワードが飛び出て緊張が走る場面もありましたが、多くの社員が「変わるために、どう考えるべきか」という視点を持ち、立場や在籍年数に関わらず活発な意見を交わす姿が見られました。
大きな変化には成長痛にも似た痛みが懸念されるかもしれませんが、それらを乗り越え、一回りも二回りも大きくなった弥生をお見せするのが今からとても楽しみです。
弥生製品をお使いのお客さまだけでなく、弥生を応援してくださるすべての皆さまにとって「弥生ってワクワクする会社だよね」と思っていただけるよう、弥生公式noteはこれからもさまざまな弥生の挑戦をお届けしてまいります。