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定型スクリプトなし?!カスタマーセンターのキニナル研修内容を聞いてみた!

顧客サービス本部は、最前線でお客さまの対応を行う、弥生のサポート・サービスの要です。

日々お客さまのお問い合わせに対応するメンバーは、あんしん保守サポートの1つとして製品を買った後のアフターケアである「テクニカルサポート」も行っています。お客さまからのさまざまなお問い合わせを解決するために、日々奮闘中です!

そんなテクニカルサポートには、お客さま対応のための定型スクリプトがありません。そんなことができるオペレーターに育成する、クオリティトレーナーをされている中川さんに迫りました!


カスタマーセンターのクオリティトレーナーの仕事内容とは

ーまず、中川さんのこれまでの弥生での経歴を教えてください!

初めはテクニカルサポートの最前線でお客さま対応をしていました。そこから、クオリティトレーナーになった感じですね。

ー元々お客さま対応をされていたんですね!
ちなみに、クオリティトレーナーとはどんなお仕事なんですか?

お客さまの問題を早く確実に解決し、満足していただけるよう、応対品質の向上と均質化を目指しているチームです。 そのため、お客さまの満足度を分析したり応対品質向上のため研修や品質確認を日々行っています!

ーなるほど!そういった想いのクオリティトレーナーのみなさんと、そのみなさんから研修を受講するオペレーターさんがいるから、弥生のテクニカルサポートは満足度が高いんですね。

お客さまの問題解決を目指す研修とは

ー定型スクリプトがなくても、高品質なお客さま対応ができるための研修があると聞きました!

そうですね。顧客サービス本部でお客さま対応をするうえで、製品についての研修はもちろんのこと、応対研修や、論点把握研修といった複数の研修を受けてもらいます。この中でも、「論点把握研修」がまさに定型スクリプトがなくても、お客さま対応ができるようになるための研修ですね。

ーなるほど。論点把握研修というものがあるんですね。
そもそも論点把握って具体的には、どういうことなんですか?

まず「論点」とは、意見や主張そのものではなく、【その意見や主張が、どのようなポイントについて考えた結果、導かれているのか?】ということです。
つまり「論点把握」とは、お客さまの問題やニーズを「お問合わせいただいた事柄」だけでなく、なぜその問い合わせに至ったのか背景まで理解するということですね。

ーでは、論点把握研修でどんなことを学べるのか教えてください

論点把握研修のゴールは、「弥生のお客さま対応の際に、単に問合せに回答するだけではなく、お客さまの状況・状態(感情含む)に適した対応ができるようになること」を目指しています。

その中でも、テクニカルサポートは製品操作中に発生した疑問やエラー・トラブルに関する窓口であるため「問題を解決する」ことが使命だとおもっています!なので、それを解決するためには、「お客さまが抱えている問題」を特定する必要があります。その「お客さまが抱えている問題」を特定することが論点把握ということになります。

研修は、大まかに2部構成から成り立っています。

1部では座学によるインプットと、実際のお客さま対応を想定したロールプレイングでアウトプット力を鍛えます。
具体的に言うと、座学では論点把握の仕組みや問題解決の流れについて、受講者に理解してもらいます。理想的なお客さまのお困りごとの論点を把握する流れを説明し、それを頭で理解する段階ですね。理解した後、例題を用いながらお客さまのニーズや現状について考え、疑問点や問題点を整理していきます。

次に、受講者は口頭でお客さまに提案する内容をアウトプットします。お客さまが製品の中で何を修正したいのか、どの画面のどの項目を変更したいのか、などを言葉で表現する練習を行います。この段階で、お客さまに対して説明を進める方法や仕組みについても学んでもらえるようにしています。

ー座学と、アウトプットがまず1部ということなんですね。
2部はどんなものなんですか?

2部は、体感ワークをしてもらいます。
受講者が実際の状況をシミュレーションして体験していくような感じです。オペレーターとしての視点から、問題解決のアプローチや考え方を実践的に理解し、最終的には実際のお客さまの音声を模したログを使用して、解決するロールプレイング練習を行っています。

この1部・2部を組み合わせて、論点把握の能力を向上させる仕組みとなっています。

ー体感ワークもあるんですね!

そうですね。実際の研修でも使っているんですが、お客さまからの「カレーが食べたいです!」という要望にどうやって対応していきますか?とかの取り組みやすいワークも入れています(笑)

この「カレーが食べたいです!」という要望に、お客さまに合わせた最適解をお伝えするためにどんな質問をしていきますか?というワークです。
例えば、どんなカレーを食べたいのか(お店のカレー?レトルトのカレー?)、カレーの種類は何がいいのか(シーフード?ビーフ?スパイス?)、誰が食べたいのか(自分?家族?)、どこで食べたいのか、なぜ食べたいのか(経緯を確認)などなど・・・

こういった「なぜ?」をお客さまに聞くことによって、最適解を導き出すことができてきます。

ー楽しみながら、オペレーターさんも学ぶことができそうですね。
ちなみに、この論点把握研修を始めたきっかけとかはあるんですか?

論点把握研修を始めるまでは、基本的な座学と応対研修を実施した後は、現場のメンバーにロールプレイング練習(以下ロープレ)を実施してもらっていたんです。
でも、現場のメンバーも日々のお客さま対応で忙しいので、クオリティトレーナーの私たちで新人さんの研修を完了させ、お客さま対応をする準備ができている状態で現場に送り出そう、となったんです。

そこで、論点把握研修を現場配属前の研修の一環として運営することにしました。
現場が教育できていないから論点把握研修を始めた、というわけではないです。ただ、製品知識を覚えた後に、すぐ現場でのロープレとなると、製品知識で学んだ点がちゃんと線としてつながらないままのロープレになってしまうんですね。なので、ロープレをしてもうまくいかず、その都度でロープレを中断して、改善点を見つけ、1つずつ対応を学んでいく必要がありました。

ーそうなると、結構な時間がかかりそうですね・・・?

そうなんです。なので、ちゃんと研修の中でそういう対応も学んでからの方が、配属される側の現場管理者と配属される受講者さんにとっても良いな、と。
そして論点把握研修をいれることで、座学研修で学んだ点と点の知識がつながり、線になった状態で配属されるので効果的にお客さま対応を身に付けることが出来るようになりました。

ーでは、論点把握研修でどういうことを受講者さんに学んでほしいのでしょうか?

お客さまの要求を的確に把握できる感覚を、学んでほしいと思っています。お客さまの要望に対して、最適解をお伝えできるスキルがついたとオペレーターに自信を持ってもらって、研修を卒業してもらうことも目標としています。

ー研修を終えたときにはもう1人前なんですね!

いえ、それは違いますね。論点把握は奥が深く、お客さまの要望や状況を完璧に理解するのって本当に難しいんですね。細かい情報を見逃してしまうこともあれば、お客さまとのコミュニケーションの中で誤解も生じてしまうことも多々あります。なので、論点把握研修は終わったから1人前というわけでは決してなく、日々のお客さま対応で経験を積むことがとても大切です。失敗から学び、そこからスキルを向上させることによって、徐々に論点把握力やお客さま対応力が高まっていきます。この過程を通じて、段々と力がついていくことを伝えています。

時代が変化しても AIには出来ない「弥生らしい」を チームで楽しみながら追い求めます

これからも継承していきたいこと

ー中川さんたち、クオリティトレーナーの皆さんが継承していきたい想いとかはありますか?

今後も、お客さまからの質問や疑問にただ答えるだけでなく、お客さまの根本的な問題解決をしていくということは続けていきたいですね。

お客さまの要望を、そのまま受け止めて答えるのは、それこそAIでもできる時代ですよね。ただ、有人対応だからこそ「なぜお客さまはその要望を伝えてきてくれているのか」という、「なんで?」の部分を深堀することをしていきたいです。そして、そこを深掘りすることによって、目の前のお客さまにとって最適解を導き出し、問題解決をしていくことが弥生のテクニカルサポートとしての使命感でもあるかなと思っています。

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< 編集後記 >

私もかつて論点把握研修を受けて、学んだことが多かったので「論点把握研修がない時代」があったことに驚きました!
研修を開始した背景や、この研修から学んでほしいことなど改めて知れて良かったです。今後この研修を受ける人に、この記事を必読にしようと思います!(笑)

中川さん、ありがとうございました。

こちらの記事でもカスタマセンターの研修について触れています。ぜひご覧ください!