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未来戦略の実現へ向け、エンジニアが作る世界観と提供価値

圧倒的な顧客基盤、膨大なデータベースを武器に、弥生は未来戦略プロジェクトの実現へ挑んでいます。60%を超えるマーケットシェアに甘んじることなく、「まずはやってみる」という新しいことにチャレンジしやすい弥生のカルチャーのもと、開発本部では、開発プロセスや開発組織体制の改革に取り組んでいます。同部が取り組む製品開発の方針やそこで働く魅力にはどのようなものがあるのか。開発本部の方々にお話を伺いました。

※この記事は2023年3月に他媒体に掲載したものの転載です。
(組織名、役職名は記事公開当時(2023年3月)のものです。)


お客様の事業全体を支える「事業コンシェルジュ」を目指し、クラウド化に挑む

開発本部CTO 兼 CTL/佐々木 淳志(左)
開発本部 新規プロダクト開発チーム 統括リーダー/小倉 岳人(右)

佐々木:弥生は、「確定申告や会計ソフトの会社」というイメージが強いかもしれません。しかし現在はお客さまの事業全体を支援する「事業コンシェルジュ」の実現をビジョンに掲げ、それを体現する業務支援サービスと事業支援サービスを展開しています。 

開発本部では前者の業務支援サービスを担当し、スモールビジネスを展開するお客さまに対し、バックオフィス業務を効率化する製品を開発・提供するのが主な役割です。扱う具体的なサービスとしては「弥生会計 オンライン」などが挙げられますが、このほか新サービスや新製品の開発も私たちが担っています。

小倉:弥生は創業時から一貫して、誰もが使いやすいソフトの提供を心がけてきました。手厚いカスタマーサポートなども含め、スモールビジネスの皆様が経営に集中できる環境づくりを目指しています。その方針と時流のニーズに合った製品開発を進めることが、私たちのミッションでもあります。

──現在、開発本部では「新規プロダクト開発プロジェクト」に注力しているとのことですが、どのようなプロジェクトなのでしょうか

小倉:
弥生の未来戦略を描いた「Project 2030」が、本プロジェクトの発端です。その戦略を実現するためには、まずは業務ごとに機能が分かれている既存のデスクトップ製品の抜本的な見直しが必要でした。そこでクラウド化という大方針が定まり、できる限り業務を自動化できる新規プロダクトの開発計画が始まりました。
 
佐々木:開発のキーワードとして挙げられるのは「一気通貫」と「自動化」です。業務領域を横断してデータを共有できる、また金融機関などの外部データと連携できるということによって、会計や法務などの専門知識を持たないユーザーの方でも「気がつけば業務が完了している世界観を実現できる」を、プロジェクトのゴールに定めました。
 
小倉:新規プロダクト開発プロジェクトが立ち上がったのは、2019年夏ごろです。当時はProject 2030がフェーズ2に差し掛かったところでした。経営メンバーによる海外企業へのヒアリングなどの試みも経て、具体的な開発方針を議論し、本格的な開発が始まったのは2020年です。そこから約3年たった現在、本プロジェクトを通じて2つの製品をリリースしました。
 
佐々木:5名でスタートしたプロジェクトですが、2023年現在は60名と大所帯になりました。大々的な挑戦が着々と実現しているのには、経営陣が明確なビジョンを立てたこと、そしてプロジェクトをスモールスタートさせたことが功を奏していると思います。とはいえロードマップ全体から見た現状の進捗は15%といったところで、思い描くゴールへの道のりは長いものとなりそうです。

提供価値と開発体制をゼロから見直し、進化した開発本部

──リリースされた2つの製品について教えてください。
 
小倉:2022年5月に証憑管理サービスをベータ版としてリリースしました。その後機能追加、機能改善などのリリースを20回弱重ねて、2023年1月に「スマート証憑管理」として正式にサービスリリースしました。
 
もう一つは2022年11月にリリースした「やよいの給与明細 オンライン」です。既存のクラウドサービスをゼロから見直し、大幅な機能追加を含め、一新しました。今回のリニューアルを皮切りに、今後は既存のアプリケーションの機能も付加し、最終的にはお客さまが求める機能を一気通貫で利用できる形へと進化させていく予定です。
 
また、製品の開発プロセスにおいても挑戦をしています。一つは、デリバリーを優先するため、これまで採用してきたウォーターフォール型からアジャイル型への移行を試みました。また、本プロジェクトでは「AWS(アマゾン ウェブ サービス)」を全面採用してDevOpsの取り組みを進めています。これも弥生では初めてのケースとなりました。

──新たなチャレンジを通じて、開発本部にどのような変化がありましたか。

 佐々木:これまでは既存サービスへの機能追加、機能改善が業務の大半を占めていましたが、本プロジェクトでは改めて「弥生の提供価値とは何か」という問いに向き合い、ゼロから開発に挑むことができました。利用する技術や開発プロセス、開発体制の根本的な見直しを通じて、決まったことをやるのではなく、それぞれが自分で考えて動くことができたと思います。
 
小倉:法令対応は今回の製品開発において必須条件でしたが、専門的な知見のある他部署のメンバーと連携しながら、具体的な機能に落とし込めたことがよかったと思います。またUI/UXについて、これまではチームにデザイナーがいないなかでエンジニア自身が対応してきましたが、新たにUI/UXチームを立ち上げたことでエンジニアが開発に集中できる環境を整えられ、デザインについてもよりよいものが提供できるようになりました。

大規模な製品開発を支える、盤石な収益基盤とチャレンジを後押しするカルチャー

──新規プロダクト開発につながる、組織の強みや特徴を教えてください。
 
小倉:まず、業務アプリケーション市場での高いシェア率による安定した収益基盤があることにより、集中して開発に挑める環境が整っていることです。人材教育にも十分投資できる余裕があり、今回のように新たな体制や開発手段を取り入れる際にも、勉強会などを実施しやすい社内環境がありました。
 
佐々木:メンバーに共通する真面目な気質も開発本部の特徴といえ、新サービス開発への挑戦意欲の源泉となっています。実際、私が主催したAWSのスキル習得を目的とした8日間の集中研修には100人を超えるメンバーが参加し、積極的に学んでくれました。
 
この集中研修には非常に多くのエンジニアが参加を希望したので、研修費用に加えて、研修期間中の開発業務が中断してしまうことに懸念を感じていましたが、経営陣に「Slack」で相談をしたところ、すぐに承認をもらうことができました。このような巨額の投資を決断できる経営陣の存在は、新しいことにチャレンジしやすいという弥生のカルチャーを支えています。新規プロダクトへのAWS採用という判断についても、経営陣がエンジニアの声を尊重したという話を聞きました。
 
──一方で、直面している課題などは何かありますか。 

佐々木:開発本部としてやりたいと思っていることに対して人材が足りないことが喫緊の課題ですので、体制を拡充していかなければなりません。ただし、人数が増えるなかでも先ほど挙げたような弥生のカルチャーの継承や人材教育の面もフォローしていく必要があるので、マネジメントにおける充実も併せて課題となってくるでしょう。
 
小倉:アジャイル開発やAWSを活用したDevOpsなどの新たな試みを始めたとはいえ、まだ短期間で開発することに対しては弱い部分があるので、その推進力となるような挑戦意欲の高い人材を引き続き採用していきたいです。一方で、こういった方針は今まで弥生が築いてきたカルチャーとは相反する部分もあるので軋轢が生じることもあります。しかし、お客さまにより良い価値を提供するという目標に向かって、現状に満足せず、変化し続ける組織を目指したいです。

エンジニア自らが提案し、未来を変えていく組織を目指して

──今後の開発本部の展望について教えてください。 

佐々木:今回新たに試みたアジャイル開発については、チームとして慣れが足りない部分があるので、アジャイル開発に知見のある方を積極的に採用したいと考えています。そして開発本部全体としては、今後エンジニア自身が主体的に動くことができる体制を整え、それを後押しできるような組織にしていきたいです。
 
小倉:具体的なスキルとしては、フロントエンドの開発を積極的に進めてくださる方を求めています。UXデザインに対して改善案を自ら打ち出し、よりよい開発方針を作っていけるエンジニアやデザイナーの方が活躍できるでしょう。また、現在はリリースが特別なイベントのように特別視されているので、今後は呼吸をするようにリリースできる組織にしていきたいと考えています。

──展望の実現に向けて、どのようなエンジニアと働きたいとお考えでしょうか。 

小倉:新規プロダクト開発チームのコンセプトの一つに、「アウトプットを重視する」があります。誰かが方針を決めてくれるのを待つのではなく、自分自身が方針を決めて提案し、アウトプットに変えていく。このコンセプトに共感し、自らの意見を反映させていけることを楽しめる方にはぜひ入社していただきたいです。
 
また、日々の開発において大事にしているポイントが3点あります。1点目は、「変化を前提に行動しよう」です。日々目まぐるしく情勢が変わるなかで、今取り組んでいることは数年後には不必要になるかもしれません。それを受け入れたうえで現在の最善を尽くしていく姿勢を求めています。
 
2点目は、「品質とスピードを両立させる」です。弥生は品質向上に資する開発体制を築いてきましたが、今後はデリバリーに対する意識を高め、スピード感を上げていきたいです。
 
最後に「どうやったら実現できるかを考えよう」です。実現の方法を誰かに委ねるのではなく、メンバー全員で試行錯誤したり、自ら解決の道のりを考えたりできるエンジニアが当社にマッチすると思いますので、出会えることを楽しみにしています。
 
佐々木:挑戦意欲高く、ものづくりを楽しめる方と共に働きたいです。特定の領域に強みを持ちチームをリードしてくれるスペシャリストや、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーと強調して働くことのできる方を歓迎していますので、ぜひご応募ください。


品質とスピ-ドを両立し、顧客視点での新規プロダクト開発に挑む

開発本部/中山 健太

──転職のきっかけや弥生への入社の決め手について教えてください。
 

私は人と接することができる職場を求めて、新卒ではホームセンターの会社に入社しました。その後IT業界に興味がわき、エンジニア派遣を行うIT企業に転職。一次請けに近い立場で、主に金融系のシステム開発や品質保証業務などに携わりました。後半4年間ほど同じ金融系のお客さまを担当したのですが、業務を通じて、品質を向上させるためにはお客さまの声を直接聞く必要性があると感じました。
 
そんな折に知人の紹介で知ったのが弥生です。日本のスモールビジネスを支えるインフラとして、日本の発展に貢献するという壮大なミッション、そして品質管理にこだわりを持っていることにも引かれました。
 
弥生には「当たり前品質」と「魅力的品質」という定義があり、提供価値として当然出すべき品質の先に、お客さま自身も気付いていないような課題にアプローチする品質を目指すという目標を掲げています。また、それが表面的なものでなく現場で実践されているということを、面談・面接の場や記事コンテンツなどから感じました。そうした姿勢に共感したことが、転職の決め手となりました。
 
──入社から現在までの担当業務内容について教えてください。 

部門横断で品質管理を行う部署で1年、既存のデスクトップ製品(弥生会計や弥生給与など)のプロジェクトマネジャー(PM)を5年ほど担当してきました。
 
現在は会計領域における新規プロダクト開発のPMを担当しています。お客さまは、必ずしもバックオフィス系のソフトを使いたくて使っているわけではありません。導入コストを下げたり、業務を効率化したり、事業状況をタイムリーに把握したいと考えられて、ソフトを利用いただいています。ですから、ソフトで自動化できるところは徹底的に自動化を追求し、お客さまの業務効率化につなげることこそが私たちの提供価値です。できる限り全ての業務の自動化を目指しています。
 
開発にはエンジニアだけでなく、マーケティング、営業、カスタマーサクセスなどの各領域で知見を持ったメンバーが集まり、部署の垣根なく連携しながら取り組んでいます。お客さまの声から課題を共有する全本部を対象とした会が定期的に開催され、スピーディーかつお客さま視点での品質向上が実現できる環境です。

社会的意義のある開発に挑める魅力的な環境

──業務を通じて感じる弥生で働く魅力を教えてください。 

顧客基盤やシェアがあるなかで新規プロダクト開発に挑める環境は魅力的ですし、自らの働きが社会的意義のあるものだと実感できる点にやりがいを感じます。
 
例えば、ある機能を製品に追加することで1時間の業務効率化が実現するならば、280万のユーザーが1時間の業務時間を短縮する、つまり280万時間という圧倒的な効率化に貢献したことになります。そうした効率化の範囲を広げていくことで、お客さまの事業成長や社会活動にインパクトを与えていけることが、弥生で働く魅力です。
 
また、弥生には長年保守・開発に携わってきたハイスキルなメンバーが集まっているのも特徴です。そして、今後ここに特定領域に専門性を持つメンバーが増えていくことで、より幅広いスキルセットを持った組織へと成長していけるとも考えています。こうした環境で働くことは、個々のエンジニアとしての成長や学びにもつながると思います。
 
──弥生のエンジニアとして活躍するにあたり、どのようなマインド・スキルを持っているとよいと思いますか。 

現在すでに専門の技術領域を持ち、さらにスキルの幅を広げたり、上流にシフトしていったりしたいと考えているエンジニアにとって、弥生の環境は向いていると思います。
 
また、弥生のエンジニアの共通点は、お客さまと向き合っていることです。お客さまの課題ベースで開発について考えられる人は自然と任される領域が大きくなっていくので、特に活躍できると思います。エンジニアスキルはある程度あるほうが望ましいですが、バイタリティーのある方であれば研修やOJT制度などを通じて自己研鑽できる環境は整っています。
 
開発本部は、新規プロダクト開発で新たな提供価値を創造・実現していくことに加えて、すでに弥生製品をお使いのお客さまにもその価値を提供できる製品開発に挑み始めたフェーズにあります。このような製品を形にするには、0から1を生み出すだけにとどまらず、その先の1.5までを考え、実現するような気概を持つメンバーが必要です。その際、弥生は「まずやってみる」という姿勢を歓迎してくれる組織なので、チャレンジ精神を存分に振るえると思います。

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