金融の常識を変える?「LaaS」とは【弥生のグループ会社 アルトアってこんなことしてるよ】
こんにちは、アルトア株式会社 アルトア事業部 モデルチーム黒津です。
アルトア株式会社とは、データとテクノロジーを活用し、金融のあり方を変えていく融資支援サービス(LaaS)の開発を担う、弥生株式会社のグループ会社です!
私はその中で、モデルチームとして、会計データを用いた与信システムの開発を行っています。
今回のテーマは、アルトアの事業の中核である「LaaS」についてです。
日常生活の中で耳にしたり目にしたりする単語ではないと思います。ということで、この「LaaS」について解説していきます!
LaaSとは?
LaaSとは「Lending as a Service」の略です。
直訳すると「サービスとしての貸出」。
なるほど、余計分からなくなりますね。
一方で、"ナントカ as a Service" なら皆さん聞いたことがあるかと思います。
最も典型的なのは「Software as a Service」でしょう。弥生が提供している「弥生会計 オンライン」もこのSaaSにあたりますね。
ソフトウェアをパッケージではなく(例えばクラウド経由により)必要な分のみをサービスとして提供する形態のことです。ここで重要なのは「ソフトウェアを、ユーザーはサービスとして利用し、対価を払う」という部分です。
つまり、「Lending as a Service」では、ユーザーが"貸出"をサービスとして利用し、対価を払うということになります。まだよく分からないので、詳しく説明していきましょう。
こちらのアルトア業務概要図をご覧ください。
この図から説明すると、
という関係になります。
アルトアは、サービス利用者である金融機関に対し、審査機能を提供しています。この図においては、先程の「サービスとしての貸出」というのは審査機能を指します。
「審査業務」は貸出を構成する要素のうちの一つです。
しかし、貸出の業務を構成するのは審査のみではありません。
そこでLaaSについてさらに説明する前に、少し金融機関の貸出業務について触れたいと思います。
貸出業務
もしあなたが誰かにお金を貸すとしたら、何をするでしょう?
相手がきちんとお金を返してくれる見通しがあるか(つまり審査)、ちゃんと書面でやり取りの証拠を残して、貸した後はきちんと約束通り返済の入金があるか確認して…
色々やるべきことがありますね。
事業者が金融機関からお金を借りるのは、おおまかに以下のような流れになります。
事業者側からは申込や契約、返済といったステップ、金融機関側からすると審査・回答・融資実行・契約途上管理等いくつかに分解できます。
LaaS利用者である金融機関から見たとき、貸出のステップは審査だけではないということもここで整理できました。
LaaSによるオンライン融資だと何が嬉しいか
LaaSは、銀行を始めとした金融機関へ、審査機能に限らず、上記に提示したような融資にまつわる業務機能を提供します。
この融資機能の最大の特色は、「決算書ではなく、会計データを元にした審査が行えること」です。
これまでの金融の常識では、与信手法は人によるものであっても、スコアリングモデルによるものであっても、決算書を基にしてきました。
しかし、決算書は過去の一時点におけるサマリー情報であり、情報量が限られるだけでなく、改ざんが容易という課題があります。改ざんを見抜こうとすれば、人手がかかり、また人による判断のバラつきも避けられません。
会計データを元にAIを活用した審査を行うことにより、金融機関が通常行っている融資とは別に「会計データによる、小口の融資サービス」を新しく用意できるようになります。
その他にも、会計データに基づく審査のメリットは、以下のようなものになります。
金融機関としては、金額の大きい融資を手がける方が金利収入は大きくなるので、あまり少額の融資まで労力をかけて審査を行う余裕がありません。
そこでアルトアのLaaSを導入することで、少額の融資であってもきちんとした審査を実施し、取引できる先の裾野を広げることが可能になります。
以上が、LaaSの全体像です。
アルトアの今
アルトア設立当初は、個人向け融資サービスも自身で行っていましたが、LaaS事業の本格展開に舵を切るため、2021年4月「オンライン融資サービス」をオリックスへ事業移管しました。
そして、2021年11月には新たな金融機関とのLaaSもスタートしています!
LaaSを提供する連携金融機関を増やすことが、アルトアの今後の大きなミッションとなります!
それに加えて、弥生以外のさまざまな会計データに対応させることで、より便利に、より多くの事業者にご利用いただけるようにしていきます!
これからもぜひ注目してください。