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営業未経験メンバーを率いて成長させる“信頼"を築くマネジメント

2023年に中途入社した銭谷さんは、入社後すぐに、インサイドセールスチームの立ち上げに着手し、チームを軌道に乗せ、現在も最前線のリーダーとして活躍されています。

立ち上げメンバーは全員営業未経験ながら、個々の強みを引き出すことでメンバーを鼓舞し、チームを牽引してきました。その結果として、2024年には部内MVPに選ばれ、そのリーダーシップはメンバーからも厚い信頼を寄せられています。

今回は、銭谷さんがリーダーとして歩んできた道のり、チーム団結の秘訣、そして銭谷さんの視点から見たチームの展望を語っていただきました。

【銭谷さん】ダイレクト・セールス&マーケティング本部セールス&カスタマーサクセスのシニアマネージャー。外資系ソフトウェア会社で、インサイドセールスの立ち上げに携わり、2023年8月に弥生にジョイン

キャリアパスとそこで見つけたリーダーシップの形

―はじめに、これまでのキャリアについて教えていただけますか?

営業職でキャリアを積み重ねてきました。
最初のキャリアは、インド人社長が経営するベンチャー企業でスタートしました。営業職志望で入ったにも関わらず、実際には営業以外の仕事を任されてしまったため1年ほどで転職を決意しました。
無事に念願の営業職に就いてからは、弥生に入るまでずっと外資系の企業で営業をやってきました。

次のキャリアは、イベントのスポンサーシップを販売している会社で、電話一本で300万円ぐらいのスポンサーシップを売っていました。一日50本から60本アウトバウンドコールをしてましたね。その時、明確な理由はないのですが、「この会社を辞めるときは、どこかから声かけてもらってやめよう」って決めていたんです。
その後、今でいうタレントマネジメントのシステム会社に営業をかけたときに、スポンサーは売れなかったものの、スカウトしていただき、そこから、私のソフトウェア会社でのキャリアが始まりました。10年ぐらい、ソフトウェアの世界でインサイドセールスを経験し、2023年8月に弥生に入社しました。

―ご自身のキャリアの軸を「営業」と定めた理由について教えていただけますか?

実は、大学生のときは営業よりも人事に興味があり、とくに仕組みのほうに興味がありました。組織の個の力の1だとしたら、1がどうやったら1.5や2になるのかなとか。掛け算をしていく方が面白いなって思っていて。そこで、人事や人事制度、戦略人事に興味を持っていたんですけど、新卒で人事って結構狭き門で……。

そこで考え直した時、ダイレクトに売上に直結する営業が、会社の仕組みを肌感持って体験できると気づきました。営業なら売り方を身につけてしまえば、商材が変わっても応用できるし、長い目でキャリアを見たときに、その基盤は大事になると思いました。それからキャリアの軸は営業になり、結果、今まで続いてきていますね。

―銭谷さんは現在、インサイドセールスのリーダーという立場ですが、過去のキャリアから今のリーダーシップに繋がっているエピソードなどはありますか?

銭谷:これまで外資の何社かで働かせていただいた中で、素晴らしいボスたちに恵まれてきました。彼らのマネジメントの特徴として「How can I help you? 」と声をかけてくれることが多いです。関係性は直接の上司だったり、社長だったり、時には担当地域以外の責任者だったこともありますが、みんな会うと必ず言ってくれるんです。この言葉は、「なんか手伝いいる?」とか「助けてほしい?」みたいな気軽な言葉に聞こえると思うんですけど、紐解いていくと、「あなたが目標を達成するため、ないしは、あなたが成功するために、どんな支援が必要ですか?」という意味がこの言葉に凝縮されているんです。それを会う人、会う人、直接的に自分の評価に関係あろうがなかろうが、声掛けをしてもらっていたことが、自分の中ではすごく大きな経験で、共感できたところなんですよね。

―銭谷さんも同じようにチームメンバーには、現場の意見を聞きながら、というところを意識されているのでしょうか?

銭谷:そうですね。自分自身がプレイヤーとして営業活動をしているときは、毎日のお客さんの声を自分でもキャッチできるんですけど、マネジメントになってしまうと、直接の声が聞けなくなってしまいます。そこに関しては、もうとにかく現場で何が起きているの?というところから、何か困ってるのか困ってないのか、それとも調子がいいのか悪いのか、逐一聞く、うざいぐらい聞くみたいなことは結構やってましたね。(笑)

―そうなんですね、その方法はうまくいっていると感じましたか?

銭谷:はい、そう思います。ただお客さんとのコミュニケーションがうまくいっているか?という確認だけじゃなくて、毎日聞いてると、やり取りの中で「あ、この子、今日元気だな」とか「元気ないな」「言わないけどなんかあったんだな」とか。そういう温度計にもなると考えています。そこから悩んでいそうなメンバーに別の声掛けしたりできたので、そこはこまめにやってよかったことだと思います。

メンバーが前向きになるチーム作り

―あらためて、現在の仕事内容を教えていただけますでしょうか。

銭谷:主にクラウドサービスを中心に、営業活動を行うインサイドセールスチームのマネジメントです。さらに社内のCX(顧客体験)チームと連携しながら、オペレーションの運用ルールの整備なども担当しています。
さらにこの10月からは、チームにカスタマーサクセスも加わり、新体制になる予定です。

―立ち上げ時のメンバーは全員がお客さまのサポート出身で、営業未経験だったと聞いています。メンバーに対してどういうコミュニケーションを取ってきましたか?

銭谷:メンバーにとっては電話を使った業務という点で同じ業務の延長線にあるように見えたかもしれませんが、実際にはサポートとセールスは本質的に異なると考えています。そこで私は、「昨日までの記憶はリセットしましょう。」って言いました。
例えるなら、今日からあなたは右ハンドルではなく、左ハンドルの車に変わるようなもの。運転自体は同じだけど、やり方は違うよねって。ウインカーとワイパーが右左逆になるのと同じように、頭の使い方意識の使い方が変わります。このようなコミュニケーションはしつこいぐらい繰り返しました(笑)

同時に、メンバーには、「これまで挑戦したかったけど、言い出せなかったことがあるなら、遠慮せずに言ってしまいましょう」と伝えています。合わせて「ノーは言わないよ」とも。実際にやるかやらないかはタイミングがあると思いますが、基本的に挑戦したい思いは尊重します。あなたは何がしたくて、それをやるとどう良くなると思う?ということを、自由に発言できる環境をつくるようにしています。

―実際、メンバーからはさまざまな意見が出るようになりましたか?

銭谷:そうですね。例えば、お客さまとのコミュニケーションをとる中で感じたニーズや「こんな売り方もできるかも」というアイディアは、現場だからこそ出てくる貴重なものだと思います。チームリーダーがメンバーから吸い上げた意見をマーケティングのチームに連携したことで、実際の施策に繋がったこともありました。

―そういうアイディアや気づきも、実際に発言するのには勇気がいることですよね。

銭谷:そうなんです。でも、たとえ小さなアイディアや、まぐれかなって思うようなことでも、共有されない方がもったいないと思います。いい意見は販売機会につながっていきますし、悪い意見も数年後のリスク検知になることもあるかもしれません。なので、とにかく「何でも話してみて」と伝えていて、今後も継続したいことです。

―これまでチーム発足から一年間たち、手ごたえはありますか?

銭谷:リード獲得と購入相談の活動がある中で、年間の目標を今期残り1か月を残し、いずれも現時点で達成しています。

―すごいですね!しかも大幅な達成とのことですが、秘訣はありますか?

銭谷:インサイドセールスを含む営業は、活動営業日に対しての結果が比例する部分ももちろんあるんですが、そこの想像の域を超えて活躍してくれたメンバーもいましたね。
実は、期中に入ると思っていた営業ツールがなかなか導入できず、オペレーションが煩雑になってしまっており、そこが足かせになって数字が伸びないかなとも思ってたんですけど、意外と現場がそれに対して後ろ向きではなく前向きだったことがありがたかったです。

―メンバーは以前から前向きに取り組むメンバーが揃っていたのでしょうか?

銭谷:実はそうとも言えない部分もあって。チーム発足当初はやっぱりみんなそれぞれが何かしら、「ここまでしかできません」という無意識の制限をかけてしまっている状態があったのかなと思ってます。でも、それって、完全なる思い込みだったと思うんですよね。私から見ると、「一日おにぎり一個で生活します。それで十分です」と言ってるように感じられて。こんな感じの“小食宣言”をしてたように思います。 もっと食べられるのに!

信頼のカギは、メンバーが納得するまで話すこと

―そうなんですね、メンバーの意識改革のために銭谷さんが気を付けていることはありますか??

銭谷:メンバーからの意見を出しやすくしようとした、というお話をしたのですが、そうやって出たアイディアを実践してもやってすぐに結果が出るものばかりじゃないですよね。結果が出るのが半年後なのか一年後なのか、もしくはもっともっと先の未来なのかはわからないです。でも、これをやることであなた人生損しないよ、メリットになることだよっていうことを、何かチャレンジする時にセットでお話ししてるんです。

それを、今のように直接的な言い方するときもありますし、キャリアプランに置き換えて話しすることも多いです。「将来どんな仕事をしたい?そのために今何ができるか」と考えるように促しています。その結果、少しずつ「チャレンジしてみよう」という気持ちが芽生え、前向きに取り組んでくれるようになったと思います。

―銭谷さんのポジティブパワーがチーム内に広がってますね!先日、銭谷さんは部内のMVPにも選ばれました。 メンバーからもすごく厚い信頼があるリーダーと感じましたが、ご自身はどのように捉えてますか?

銭谷:うーん、そうですね。正直、自分のことを、いい加減だし、ポンコツだと思ってるんですよ。私は弥生に入社してすぐにチーム立ち上げとマネージャーを任せていただきましたが、今一緒に働いているメンバーの中には、弥生で十年以上の経験があるベテランも多いんです。そんな先輩方に対して、これまでの価値観とは全く違うことを言ってきたので、最初は「この人がリーダー?」とか、「この人、何を言ってるんだ?」と思われたかもしれません。(笑)

でも、私は焦らずにじっくりと説明して、きちんと納得してもらうことが大切だと考え、そこにはスピードは一切求めませんでした。チームを立ち上げたばかりで、新しい考え方を今すぐ理解するというのは難しいところがあると思っていたからです。長年の習慣で、無意識に右利きの人は右手が動くように。もしかしたら、それが積み重なって信頼という形になってきてはいるのかな?と思います。

―銭谷さんは素敵なリーダーだと思います。最後に、インサイドセールスチームの今後の展望について教えてください

銭谷:ありがとうございます!(笑)
今後は、より営業を経由した顧客獲得をどう最大化できるかが課題です。これまでは広告を効果的に使って売上を伸ばせるかが中心でしたが、これからは、「弥生 Next」の各プロダクトがリリースされるので、“経営のパートナー”として、弥生が選び続けられるような体制を作っていけるかが重要だと思います。

インサイドセールスチームの使命としては、メンバーの一人ひとりが、「この人から買えてよかったな」とか、「この人と話をした上で弥生を選んでよかったな」と感じてていただけるシーンをどれだけ増やしていけるかがテーマです。今の時代、多くの商品がECサイトを使えばワンクリックで買い物ができます。だからこそ、人とのやりとりに価値があると思います。その価値をインサイドセールスのメンバー全員がお客さまに提供することを目標にしたいです。多分それが弥生のファンを増やしていく活動にもつながっていくと信じています。

売る側がまず楽しむという環境の醸成、そしてチームメンバーから買っていただいたお客さまが弥生のファンになってくださる、やがてコアなファンが増えていくというのが理想です。大変なこともあると思うのですが、地道に頑張っていきたいです!

―ありがとうございました!

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編集後記

銭谷さんのポジティブパワーが溢れるインタビューで、話を聞いているこちらも元気をもらってしまいました。
銭谷さんのリーダーシップのもと、営業未経験のメンバーが自信を持ち、活躍していく姿が想像できます。チームが一丸となって前進する姿勢に、改めて“信頼のマネジメント”の力を感じました。
これからのインサイドセールス&カスタマーサクセスチームの活躍が楽しみです!