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情報収集力を武器に、マーケター&広報の二刀流で仕掛ける

時代に合わせ、さまざまな挑戦をする変革期の弥生に参画した広報の片山聖。マーケティング会社での経験を生かし、ステークホルダーとの関係構築をしてきました。起業家支援やイベントスペースの立ち上げなど、一つひとつのプロジェクトを通して、弥生のイメージを変えるチャレンジの真っ只中。その軌跡をご紹介します。

社会人生活のスタート。3つの教えが、道を開いた

片山聖は熊本の高校を卒業後、ハワイの大学で学び、日本でキャリアをスタートしたという、ちょっと変わった経歴の持ち主。在学当時、卒業後はハワイやアメリカ、また地元の熊本ではなく、東京で働きたいと考えていました。

とにかく短期間で成長したい──そう考えたときに、片山はまず営業スキルを身につけようと思いました。

片山 「モノやサービスを売るスキルは、さまざまな業務に通じると思っています。大学卒業当時、特別なスキルを持っていなかったので、東京で揉まれて、ビジネスパーソンとして早く成長したいとシンプルに思ったんです」
大学を卒業した片山は、2005年に東京の株式会社マインドシェアという会社に就職します。マインドシェアは“コミュニケーション マーケティング(造語)”を掲げ、企業や自治体のマーケティング活動をサポートしており、リサーチ、マーケティングコンサルティング、イベントや展示会などプロモーション、紙やWebの制作物のサービスを一気通貫で提供していました。

クライアントにヒアリングし、個々の課題に対して提案書を作成、解決策を提案するといういわゆる提案営業の他に、制作担当としてもイベントや展示会の企画、パンフレットやWebメディア制作、自社メディアに携わるなど、片山は幅広い経験を積んでいきます。そうした中で、学んだ「3つのこと」がありました。

片山 「 1つ目は、生活者(対象者)の生の声を聞くこと。 2つ目は、仮説を持つこと。そして 3つ目は、何事にも愛を持って接する(相手の視点に立つ)ことでした。1つ目、2つ目はマーケティングの基礎中の基礎ですが、3つ目は特に印象深く残っています。
当時、相手に対して思慮が足りない安易な行動や中身が薄い提案書には『相手に対して愛がないなー、愛が!』と日々、諸先輩方から “愛 ”のある指摘を受けていました。厳しくも楽しく、ゼロからいろんな経験をさせてもらった前職には本当に感謝しています。今でも当日の同僚や先輩方に仕事以外も含めて色んな相談に乗ってもらっています。 」
10年が経ち、気づけば大小、数百件の案件に携わっていた片山。しかし常にクライアント業界やテーマ、課題が異なる、さまざまな案件が同時進行している状況になり、「自分が大好きだと思えるひとつの事業やプロダクトに心を込めて携わりたい」と思うようになっていきます。

そして、あるプロジェクトの立ち上げから現場責任者として携わったことで大きなやりがいを感じた片山は、自社で製品やサービスを展開する事業会社に興味を持つように。新たな環境でキャリアを積むことを意識した片山は、転職を決意しました。


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ステークホルダーへ徹底的にヒアリング

片山は事業会社のマーケティング部へのキャリアチェンジを目指し、転職活動を開始。企業を調べているうちに見つけたのが、弥生でした。

片山 「弥生の名前はなんとなく聞いたことがありましたが、前の会社で使用していた会計ソフトの名前は知らなかったです。
でも、事業会社ということでまずは受けてみようと思い、一次面接へ行きました。初めての転職活動でけっこう緊張していたんですけど、面接してくれた社員の方(のちの直属の上司)がとてもフランクで(笑)。
そのときに、私が勝手に抱いていた弥生の “お堅いイメージ ”が良い意味で崩れましたね。それに弥生を知っていくうちに、業界でのシェアが高く、プロダクトの評判も良いこと、当時、クラウドなど新しいチャレンジをしていることがわかったので、この 10年で培ってきたスキルが生かせると思いました」
片山は弥生へ転職し、マーケティング部マーケティングコミュニケーションチームに配属されます。そこで、「起業家・地方創生支援プロジェクトリーダー」として、起業家やベンチャー企業とのコミュニケーション活動を任されました。

会計ソフトの市場がクラウドへも広がっている中で、起業家や新設法人への認知や理解を広げ弥生を好きになってもらう、その結果、利用する人をもっと増やしたい──次のフェーズに向けて挑戦したいことは山ほどありました。

しかし当時、片山が担当する業務に前任はおらず、社内にも知見があまりありませんでした。起業家が何を求められているのかがわからず、その声をきちんと集められていない状況。片山はどんなニーズがあるかを探るため、起業家・スタートアップ向けのイベントに出向いて起業家たちに積極的に話しかけ、起業家自身がどんなことを考えているか、また弥生や会計ソフトに対する生の声を徹底的にヒアリングしたのです。

片山 「当時、目的のイベントに参加すると、弥生の中の人がこういう場にいるのがびっくり、と言われることも多かったですね。『うち、使ってます!』と言っていただく方も多くいましたが、そうでない方に聞くと、『少人数の自分たちが使うソフトじゃないイメージだった』など言われて、当社の会計ソフトが選択肢に入ってない人たちも少なくありませんでした。
当社のプロダクトは従業員100名を超える企業のお客さまももちろんいらっしゃいますが、従業員 5~20名以下のユーザーがもっとも多いんです。起業した直後こそ、使っていただけるプロダクトでもあります。比較的、スタートアップ企業を含む起業直後の人には認知やプレゼンスが低い、また情報が、ちゃんと伝わってないのかなって思いました」
そこで片山は、起業家やベンチャー企業へのマーケティング施策を実行、オフラインとオンラインの両方で弥生との接点機会を増やしていきます。首都圏、時には日本各地の起業家が集まるイベントにも参加。イベントのスポンサーになったり、「起業家のための経理」というセミナーを企画したり、加えて新設法人へのDM送付やキャンペーン実施と、アクションを起こしていきました。

コミュニケーションを取りながら、どんどんユーザーコミュニティを広げる片山の能力は大いに発揮されました。マーケティング施策は順調に進み、起業家、新設法人の弥生会計 オンライン(クラウド会計)の新規契約数を昨対比で大きく超すことができました。

また、立ち上げ時の責任者 として「弥生のかんたん会社設立」というプロダクト開発にも携わっていました。この開発も起業家施策の中のひとつで、半年ほど社内の開発チームとタッグを組んで進めていたのです。

片山 「横断的に業務を任せてもらえるのが、弥生のいいところだと思います。それに関係がフラットなんですよ。経営層とも距離が近いと思います。代表に対してもいろいろなことを提案できますし、当社の良い点のひとつだと思います」
起業家を起点に、横断的にさまざまなプロジェクトに携わり、実力を見込まれた片山は、新たなフィールドへ挑戦することになります。


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広報へ異動。パブリックリレーションズを通して、新たなつながりを生み出す

起業家向け施策を進めていたところ、片山は上司から広報兼務の打診を受けました。マーケティング施策の中でステークホルダーと交流し、気づけば関係構築(パブリックリレーションズ)をしていました。

しかし、片山が関わっていたのは、あくまで起業家や新設法人といった限定的な領域でした。また実際、「これって会社全体にとっても必要なことでは?」とも思い始めていました。

マーケティングと広報を兼務することで会社全体への貢献度が高まり、自分が求める働き方ができるんじゃないか──そう思い、広報を兼務することになります。

しかし当時、会社としての広報体制は万全ではありませんでした。そのため、片山がイチから広報戦略を策定していきました。

弥生の広報の守備範囲は、メディアリレーションズ、SNSやブログの運用、関係する協会や団体とのやり取り、イベント協賛や主催イベント企画、そしてインターナルリレーションズです。これらを他部署・チームのメンバーと連携して進めています。

そして2018年6月には広報専任になりました。そんな中、弥生にとって初めての自社イベントスペースが完成。片山はこの場もパブリックリレーションズのひとつとして活用できると思い、関与していきます。

片山 「社員が増えるため増床を検討していて、これを機会に交流できるスペースもつくったらどうかな? という声が上がったんです。
私はそこを社内外にどう活用してもらうか、どんな設備が利用しやすいか、を考える役目で途中からプロジェクトに参加しました。内装や設備をファシリティ担当と一緒に決め、完成後は、スペースの名前を公募で決定したり、利用レギュレーションをつくったり、社内外でもっと活用してもらうために事務局的なことも担当しています」
ヤヨイヒロバと呼ばれるそのイベントスペースでは、「経理の日(3月31日)」を記念して行うユーザーイベントを行ったり、弥生のステークホルダーの方々にご利用いただいています。

また社内でも懇親の場として就業後にサッカーW杯の試合を観戦したり、ダーツ大会を開催したりと盛況です。最近では、マーケティング本部内でLT大会を開催したりと、ヤヨイヒロバを起点にしたコミュニケーションがどんどん生まれています。


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イメージギャップは“財産”。可能性が眠る証でもある

弥生へ転職して、2019年で4年。活動の場はマーケティングから広報へと移っていますが、思えば、ステークホルダーとのコミュニケーションを一貫して実践しています。

次に片山が目指しているのは、現在の弥生に持たれているイメージと本来の姿とのギャップを埋め、未来に向かって進化を続ける弥生を外に伝えること。そして外から内への好循環が生まれ、最終的には弥生グループで働く一人ひとりがもっともっと自社に誇りを持ち、モチベーション高く仕事に携わる環境づくりをサポートをすること。そのために、まずメディアリレーションズに力を入れています。

片山 「広報になって、イチから学んで今も試行錯誤しているのはメディアリレーションズですね。
何はともあれ、できるだけいろいろな記者さんやメディアの方とお話をさせていただくことを心がけています。お話することで学ぶことが多いですし、弥生グループの取り組みを時流や相手に合わせて良きタイミングで伝えられるようになりたいと思っています。
あとは、広報のヨコのつながりにはとても感謝しています。他社やフリーランスの広報さんとの話は参考になることがとても多いです。起業家向け施策担当のころからの流れもあり、外の方とは積極的にコミュニケーションを取るようにしています」
すでに「弥生会計」の誕生から30年以上が経ち、弥生は親会社が複数変わるなど、歴史を振り返ると波瀾万丈でもありました。

片山 「一方で、プロダクトのパワーがあり、多くの方に認知をいただき、長年、高い利用シェアを継続しています。これって本当にありがたいことですし、手前味噌ですがすごいことだと思っています。これ以上ない財産です」
一方で、社内の雰囲気やエンジニアなど、「スーツを着たお堅い組織というイメージ」がまだまだ持たれているのが現状です。

片山 「しかし、持たれている印象と実際の姿とのギャップは、ある意味当社の財産、つまり伸びしろだと思っています。そのギャップを、パブリックリレーションズで埋めていきたい。広報活動を通してありのままの弥生を伝えていくのが、私の今後の役目だと思っています」
行動力・チャレンジ精神・情報収集力は社内随一の片山。このコミュニケーションを通して得たつながり・情報を活用し、これからも新たな弥生を生み出していくことでしょう。

※この記事は2019年8月に他媒体に掲載したものの転載です。


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