広がる中小企業支援の思い。関東営業所所長インタビュー
弥生では、5月9日に全国8つ目の営業拠点となる「関東営業所(埼玉県さいたま市大宮区)」を開設しました!
単なる営業エリアの拡大だけではなく、初のシェアオフィス内での開所など、さまざまな新しい取り組みの発信源となっています。今回は、関東営業所所長に就任された山田さんに、いろいろな話をお伺いしました!
🎤プロフィール
パートナービジネス本部 関東営業所 所長
山田泰広さん
弥生の営業部門としての新卒一期生で弥生歴は14年!
ご実家は中小企業。思い出の「中小企業あるある」エピソードはこちらから。
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地域に寄り添った営業所へ
ー関東営業所の開設と、所長の就任おめでとうございます! 改めて関東営業所開設の背景を教えてください
山田さん:弥生の「営業」とは、全国にいらっしゃる「弥生PAP※」会員である会計事務所の皆さまのお悩みをお伺いし、業務効率化や顧問先増加などサポートする活動です。古くは東京の営業所から、都度出張という形で全国の会計事務所へお伺いしていました。ですが次第にPAP会員も増え、地域密着で会計事務所の皆さまに寄り添ったコミュニケーションを取りたい思いから各地に営業所ができ、その流れで今回の関東営業所開設という流れです。
ーなるほど。特に関東エリアには事務所の数も集中していそうな印象があります。
山田さん:そうですね。関東営業所の管轄となる北関東甲信越エリアの規模もなかなか大きくなってきています。このエリアの経済規模に対して、まだまだ弥生が価値提供をしきれていない部分も含めてポテンシャルを感じています。
ー関東営業所がまず取り組むことはなんでしょうか?
山田さん:目標は単純明快で、「弥生の認知浸透を図っていくこと」が挙げられます。特に北関東エリアでは、特定のメーカーさんの地盤がとても固いという特色があります。古くから密なお付き合いをされているので、「弥生が選択肢に入ってこなかった」というのが今までの実情なのではないかと思います。
ーずはりリプレイスを目指していくということですか?
山田さん:まずは弥生を併用いただくというところからのスタートです。長く使っているということは、その分やり方に慣れていて、習熟したスキルをお持ちであるということでもあります。ただ、各社のソフトにはそれぞれ特色やスタンスがあり、1社のソフトウェアやサービスだけでは効率化しきれないという課題を抱えている先生もいらっしゃいます。例で言うと、顧問先(事務所にとってのお客さま)から丸投げしていただく「記帳代行」業務は、メーカーによっては外部へ入力作業を委託できるサービスがなく、仕方なく自社でやっていることがあります。弥生でしたらそこを自動化する「記帳代行支援サービス」があるので、ぜひ併用して効率化をしていただきたいなと。
ー実際新しいコト・モノへのニーズってあるんでしょうか? 勝手ながら、こういった業務って固定化されてあまり変化が望まれてないようなイメージがあります……。
山田さん:そこは実際行ってみないとわからないところではありますね。だからこそ、直接足を運んで、先生たちのニーズを拾って、提案していくための拠点としての関東営業所が必要になります。ただ、会計事務所業界というのも高齢化が進んできていて、世代交代が進んでいます。ご家族や所内の昔からいる先生のような後継者へ事業承継するケースがあり、そういったバトンタッチのタイミングでIT、クラウド、AIといった領域に興味を持たれる先生がいらっしゃるのではと予測しています。
ー実際に北関東・甲信越エリアの会計事務所を訪問してみて、地域性や独自のお困りごとを感じることはありましたか?
山田さん:やっぱりエリアによって特色が違うんだなと強く感じています。例えば東京の都心ですと新規開業の事務所や先生も多く、顧問先も新規開業のベンチャー企業が多いです。そもそも顧問先となる事業者も東京の方が圧倒的に多いので、入れ替わりも激しく、スピード感とともに競争意識のようなものもあります。一方で地方都市に行くと、古くからのお付き合いとそれによる信頼関係で関係性が成り立っているので、新しいものを積極的に取り入れて競争に勝って行こうという考えよりも、いかに今の関係性を丁寧に崩さず継続していくかという考え方が強い印象は受けました。
コミュニケーションスタイルは変わっても、根本の「課題解決型提案」は変わらない
ー地域の特色があるということは、今までの弥生の営業スタイルからはガラッと変える必要があるんでしょうか?
山田さん:大きく変えるということはないですが、相手とコミュニケーションを合わせる必要はあるのかなと。例えば「どんどん新しいことを取り入れていきましょうよ!」という提案は、競争環境の中にいる先生には響くと思います。一方で安定した事業ができている事務所に対してそういっても響かないでしょう。
結局、営業とはこちら(弥生)主体ではなくて、相手としっかりコミュニケーションを取り、合意とって進めていくものだと思います。なので今営業として掲げている「課題解決型提案」というスタイルは変わらず、地域やお客さまの特色によってスピードを速くする、緩める、新しい提案を多くする、現状の維持を優先する……そういったチューニングをしていくということになると思います。
古いやり方にとらわれない。効率化とチャレンジ
ー今回弥生では初のシェアオフィス内営業所になりました。コロナ禍をきっかけにリモートワークの流れもできていましたが、結構大胆な選択だと思いました。どういう戦略、経緯だったのでしょうか?
山田さん:最初は「物理的なオフィスはいらないのでは?」という話もしたんですよね。出張でオフィス不在になることも多いですし、私の通勤もちょっと面倒になるし(笑)
ー正直すぎる(笑)
山田さん:上長たちとオフィス以外の話題も含めて話す中で、「自分(山田さん)の組織として自由にやっていいよ」とも言っていただけたので、オフィスを開設する運びになりました。実は、シェアオフィスになったのは偶然の産物なのですが、これも新しいチャレンジということで。このケースがうまくいったらサテライトオフィスでやってみてもいいですよね。
ー山田所長の描く関東営業はどのような組織ですか?
山田さん:各自が裁量を持った上で、締めるところはしっかり締めるという組織でいたいと考えています。メンバーは私含めて3名ですが、担当エリアは広範で移動時間も必然的に多くなることから、マイクロマネジメントしてもたぶんうまくいきません。限られた時間でそれぞれがいかに要領よくやっていかが大事になると思います。
ー組織としての目標はありますか?
山田さん:チーム・組織の意気込みでいうと「まず楽しくやろう」というのを掲げています。立ち上げたばかりで、かつ広いエリアの担当になるのでいろいろ苦しい状況というのもきっと出てきます。その上で、やっぱり楽しみながらしっかり3人で仲良くやりましょうと。せっかく同じ船に乗った3人ですしね。
2人のメンバーは私自身が採用面接もしていますが、一人は前職で新規事業の立ち上げもやっていて、その経験を生かして非常にアグレッシブに動いてくれています。もう一人は若手でチャレンジ精神に溢れています。この3人で自分の意見をしっかり言い、お互いを否定することなくやっていくのが一番大事なところかなと。そうすれば、おのずと合意形成ができていくのではと思います。
ーメンバーの話がありましたが、山田さんご自身はどんなタイプなんでしょうか。
山田さん:物事を堅実に進めるタイプではありますが、効率の悪いやり方は大嫌いです(笑)特に「前例踏襲で行きましょう」みたいなのが。それでうまくいくのであればいいけれども、「無駄だけど昔からそうやっているから踏襲していきましょう」みたいなのは一番嫌なタイプ。
まったく新しい拠点というのはいろんなことが初めてです。その分思ったよりうまくいかないこともあると思うんですけど、今まで以上に自由にできて、自分のタイプと合いそうに感じています。
入社して14年、新しいチャレンジと変わらないもの
ー山田さんは2010年に、弥生の営業職としては初の新卒として入社しています。今までどんな経験をしてきたのでしょうか?
山田さん:最初はリテール営業を丸8年やりました。2018年ごろに今のPAP向け営業に異動して、埼玉・神奈川の担当として当時ひとりで1,000件くらいの事務所を担当していました。
営業だけではなく、10年後の経営方針を考え、企画するプロジェクトに参加したり、直近ではインボイス制度と電子帳簿保存法の法令対応のプロジェクトに参加していました。
ー営業を軸に様々な経験を積まれてきたと思いますが、関東営業所所長の就任はどのようなお気持ちですか?
山田さん:自分にとっても弥生にとっても新しいチャレンジで、メンバーもまったく新しい。せっかくなんだから物怖じせず自分たちのやりたいようにチャレンジして、仮に失敗したとしても、最後には「やってよかったよね」とポジティブな学びにしたいです。上司たちも信用して任せてくれていますしね。
ー山田さんと、山田さんに所長をお任せした上長との信頼関係を感じます。その分プレッシャーを感じたりしますか?
山田:いや……プレッシャーはないですかね。責任感はありますが、それをプレッシャーに感じて縮こまってしまうのは全然違うんじゃないかなと思います。
たとえば個人事業主で「仕事がなくなりました」って言ったらもう食べていけないじゃないですか。でもサラリーマンは違う。実家のそういう厳しい現実を見てきた分、どんと構えられている部分はあるのかなと。
中小企業は「孤独」。山田さんの思う弥生の意義
ー実家として、あるいは弥生で事業を通じて見て来た「中小企業」とはどんな存在だと思いますか?
山田:入社から14年が経ちますが、やっぱり中小企業というか、特に小規模の事業者というのは非常に孤独な存在だと思います。私の実家とかを見ていても脆いところがあるなと。
ー孤独、というのは予想外な表現でした。
山田さん:例えばインボイス制度や6月から始まる定額減税などは、大きな組織のサラリーマンだったら一人一人はそこまで考えなくてもなんとかなります。ですが小さな組織では一人で全部考えて、対応しなきゃいけない。それが「孤独」と表現したところです。
弥生は、そんな中小企業・個人事業主に対して製品・サービスといったソリューションや、会計士の紹介、オウンドメディアなどでの情報発信などを通じて支援をすることができます。また、彼らに日々寄り添い、サポートをされる「弥生PAP」を始めとした会計事務所の先生たちのパートナーとして、いろいろな形でお役に立てるところが面白くて、やりがいのあるところだと思います。
ー入社して以降、そこは変わらないですか?
山田さん:そうですね。変わってないがゆえに、今も弥生にいるんだなあと。
ー最後に、北関東エリアの会計事務所に向けて改めてお伝えしたいことがあればお願いします!
山田さん:いよいよ新たな営業拠点として、本格始動することに身が引き締まる思いです。しっかりとパートナーの皆さまの業務効率化などの成果へ繋げられるよう、3人で尽力してまいります。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
一貫した思いを持ち続ける山田さんはすごく頼もしく見えます。新しいエリアでも、たくさんのPAP会員の皆さまと信頼関係を築いていかれるんだろうなと感じました。ありがとうございました!
✏編集後記
弥生に新卒で入社し、思いを引き継いできた山田さんが率いる関東営業所は、今までの弥生の歴史とシェアオフィスのような新しい取り組みの交差する転換点となりそうな予感がしました。
公式noteでも引き続き取り組みや実際の成果をご紹介できればと思います!
ぜひご期待ください!